かん吉との日々

イヌとの生活を通して考えたことなど

人間だったら・・・

ご飯の準備をしていると,「早く出せ」と言わんばかりに大声でまくしたてる (吠える)。ご飯をあげても,散歩に連れて行っても感謝の意思も示さない。散歩とご飯の時間以外はほとんど家で寝ているだけ。
 
これがイヌではなくて人間だったらどうか。一緒に生活していて我慢できるだろうか。
 
こんなかん吉に文句を言う気にならないのは,かん吉がイヌだからだろう。イヌには仕事をすることや家の手伝いをすることは期待していないし (手伝いをするイヌもいるが),感謝してもらうことも期待していない。
 
そもそもかん吉は自分の意思でこの家に来たわけではない。こちらの都合で来てもらったのだ。かん吉からしたら,何をしても,何をしなくても文句を言われる筋合いはない。
 
しかし,人間だって同じじゃないかとも思う。
人間だって発達障害学習障害などのいろいろな理由で期待されるようには行動しない人,望ましくないとされる振る舞いをしてしまう人もいる。障害とまでいかなくても,何事にも個人差がある。イヌとヒトほどには違いはなくても,人間の間にだって遺伝的な要因や神経基盤に違いがあるのだ。
 
期待通りにいかないことで頭にきたりするのは,相手が自分と同じ「人間」であって,同じ原理で行動したり感じていると無意識のうちに仮定してしまうからではないだろうか。相手は違うのだということを認めることが,心穏やかに過ごすための第一歩かもしれない。そのためには個人差の存在を客観的に認識することも有益かもしれない。
 
そんなことに気づかせてくれる,かん吉に感謝。