かん吉との日々

イヌとの生活を通して考えたことなど

迷信行動?

普段は寝てばかりのかん吉だが,ご飯の前だけは人 (犬) が変わったように活発になる。ご飯を用意し始めると,リビングを反時計回りにぐるぐる駆け回りはじめるのだ。さらにご飯の到来が近づいて興奮すると,滅多に出さない大きな声で吠え始める。
 
我が家に来たばかりのときはそうではなかった。これは我が家に来てから新たに学習された行動なのだろうか。それとも家に慣れてきたことで元々あった習性が出てきたのだろうか。
 
ぐるぐる回るという点は,著名な心理学者であるスキナーが報告したハトの迷信行動を思い出させる。ハトを入れた装置の中で,一定の周期で機械からエサを出すようにする。ハトの行動とは無関係に,である。すると何羽かのハトは,エサを待つ間,ぐるぐる回ったり,床をつついたり,という行動を定型的にとるようになったのである。
 
この行動はエサを得るために必要ではないが,その行動をとった後にエサが与えられるということが繰り返されたことにより,それが「強化」されてしまったと解釈できる。ハトは自分が回ることでエサがもらえるという「迷信」を獲得してまったというわけだ。(本当にハトがそう思っているかどうかはわからないが。)
 
かん吉の走り回ったり吠えたりする行動も迷信行動といえるかもしれない。
 
あるいは,駆けまわったり吠えたりすることで実際にエサがより早くもらえるという随伴性が生じているのかもしれない。ご飯についてのすべての決定権を有する妻が,かん吉がそういう態度をすると急いでご飯をあげたがるからだ。そうだとすれば,「迷信」ではなく,本当に吠えればもらえる,という「正しい」信念を獲得したということになる。
 
かん吉が走ったり吠えたりするときはご飯あげることはやめて,そういった行動を「消去」してみてはどうかと思う。そして,ご飯は事前に準備しておいて隠しておいて,全く予期できないタイミングで与えるようにする。そうすれば,無駄に興奮することもなくなり,よだれを床にまき散らされることもなくなってよいのではないかとも思う。
 
妻は「かわいそう」と言って私のそういう意見は聞いてくれないので,試されることはないだろうが。