かん吉との日々

イヌとの生活を通して考えたことなど

雪を振り落とす

雪が積もった。かん吉にとは雪が積もってから初めての散歩。
 
「犬は喜び」と歌にあるように,喜んで散歩に行っているようにも見えなくはない。少なくとも嫌がってはいないようだ。雨のときは散歩は嫌がるのだが。
 
その辺の枝葉につもった雪をいたずらでかん吉にかけてみると,背中に雪が乗るのだが,少しして「ブルブル」した。すると,体の雪が一瞬でキレイに落ちたので感心した。
 
この「ブルブル」(専門用語はあるのだろうか) は雪を振り落とす機能があったのか。そして毛質も雪が落ちやすいようになっているようだ。人間の頭に積もった雪はブルブルしてもそう簡単には落ちない気がする。イヌほどの速さではブルブルできないが。
 
イヌの毛の様子は犬種によってだいぶ違う。
 
最近読んだ,長谷川眞理子先生の「人、イヌと暮らすー進化、愛情、社会 (教養みらい選書)」によると,犬種はそれぞれ,人間のなんらかの活動に役立てるように人為選択をかけて作られた。長谷川ご夫妻が飼われているスタンダード・プードルは撃ち落された水鳥を回収するために作られたので,濡れた後の毛の渇きが早いという。
 
柴犬は毛質についてはおそらくオオカミとかとたいした変わらないのだろう。オオカミの毛に触れたことはないが,見た目的にはそう変わらないように見える。
 
そうだとすると,それは人為選択ではなく,自然選択で作られたものといえるだろう。体が雪に覆われて体温を奪われたり動きが制限されることもないようにできているのかもしれない。
 
ところで上で紹介した眞理子先生 (ご主人の長谷川寿一先生も著名な心理学者なので,下のお名前で呼ばせていただく) の書かれる文章のタッチはいつも軽快で読みやすく,引き込まれる。専門的な話でもすらすら読める。
 
学生時代に初めて読ませていただいたのは「生き物をめぐる4つの「なぜ」 (集英社新書)」だ。ご主人の寿一先生と記された進化心理学のテキスト「進化と人間行動」もとても面白い。
 
最近,Amazonの紹介で「人,イヌと暮らす」が出版されていたことを知り,思わずすぐに購入してしまったが,こちらも期待通りで引き込まれた。色々考えさせられることがある。今後もこの本を参考にいろいろ考えていきたいと思う。